◆打木屋のアジ仕掛け(1日アジ)◆

打木屋の常連さんが主に使用しているアジ仕掛けを紹介します。常連さんの仕掛けは、バレやすいアジを釣るための工夫がこらされており、常に進化しています。打木屋に釣りにこられる前に是非とも確認してもらえれば、釣果アップは間違いなしです。

◆竿◆

竿は130号のビシオモリを背負うので、しっかりとしたもので、長さは2m前後のものがいいでしょう。しかし、棒みたいに硬いものでもいいわけではありません。オモリ負荷60号~150号で、あとは使う方のお好みです。おすすめの竿は「ダイワ A-BRIZ  ネライ   MH-180(本体定価¥35,600−)」「ダイワ リーディング ネライMH—200(本体定価¥41,800−)」です。

◆リール◆

両軸リールでPE4号を200m巻けるものであれば手巻きのリールでもいいですが、できたら電動リールがおすすめです。電動リールなら「ダイワ レオブリッツ300J(本体価格¥65,000−)」または「ダイワ シーボーグ300J(本体価格¥75,000−)」です。共に、PE4号200mは十分に巻けるので十分でしょう。電動リール用の電源は船に備えてあるのを使うことでもいいですが、大勢の方が一度に使用すると電圧がどうしても不安定になりがちです。新しい高性能リールではいろいろな機能を備えているため、電圧が不安定だと正常な動作をしないおそれがあります。できたら、自分専用の携帯バッテリーをお持ちになることをおすすめします。リチウムバッテリーなら軽くて持ち運びにも便利です。おすすめは「ダイワ スーパーリチウムバッテリー9200WP−L−C」(充電器付き本体価格¥59,500−)または「シマノ 電力丸5.0Ah」(本体価格¥44,500−)という製品があります。 鉛バッテリーは少々重たいですが、リチウムと較べて安価です。

◆道糸◆

道糸は新素材PE3号か4号にしてください。号数の大きい太いのでは、潮の速いときには水の抵抗が大きく糸フケが出てしまい、底立ちを取るのが難しくなります。おすすめの道糸は「YGKよつあみ-ウルトラダイニーマWX8」 または 「ダイワ-UVFハイパーメガセンサー」です。結び目なしで200mは巻いておいてほしいですね。

◆ハリス◆

1.2号、1.5号、1.7号、2.0号、2.5号を魚の大きさ又は喰いの良さによって使い分けます。潮の澄んでいる時にはどうしても細いほうが喰いはいいようです。おすすめの製品はクレハ(KUREHA) シーガーエースです。糸がパリッとしていて硬いのでオマツリが少なく強度も申し分ありません。通常は2号でいいでしょう。

◆ハリスの長さ◆

通常、2本針で長さは200cm、枝針は下の針から90cm上に付ける。枝針の長さは30cm。長くするとかえって仕掛けがからむ原因になります。

◆針◆

ムツ針10号か11号を使います。特大アジ用にと太めの針を使っている方がいますが、重くて沈むので喰いは悪くなります。大型狙いなら12号で十分でしょう。おすすめの針は「Gamakatsu ムツ(銀)(平打ち)」です。ムツ針と殆ど同じ形で赤とか緑色の針も付けたいのなら、「Gamakatsu アジ船頭」もいいです。

◆ビシオモリ◆

通常130号です。おすすめは「ミサキ-NEW横目ビシ-中目130号」又は「ミサキ-ミサキビシ(プラスチックかご)130号」です。

◆天秤◆

あまり短いと仕掛けを投入する際にオマツリするので、ある程度は長いものがいいでしょう。おすすめは「ヤマシタ 船テンビンK型40』です。この製品に最初から付属しているビシオモリを取り付けるスナップは、先ほど言ったロック付きなので、このスナップはペンチで切り取って、大型のダブルスナップ(ロック付きでないもの)に取り替えたほうがいいでしょう。知らない間にスナップがはずれて、高価なビシを落としてしまうという人が結構いますので、気をつけましょう。

◆クッションゴム◆

アジが大きくなればなるほど、又、使用するビシが重くなればなるほどクッションゴムの必要性は大きくなります。ビシが重いので魚が引っ張っても、すぐには動いてくれません。こういうときにクッションゴムが有効です。ですから、少々引っ張っても伸びないようなクッションゴムでは付けている意味がありません。必要な時には伸びて魚の引きの衝撃を抑えるようなものでなければならないからです。市販のウレタン製のクッションゴムでは伸びても元に戻らないものが多く、何回も使っているうちに切れてしまうこともあります。ループ状になった生ゴムを使うのがいいのですが、そのままだと接続に難があるので両端にリングを入れたものがいいです。自作してもできます。打木屋特製の生ゴムのクッションゴムもあります。(折径12cm)

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ループ状の生ゴムを三カ所のチューブで止めてありますが、固定してあるわけではありません。ゴムが伸びるとこのチューブがずれることがあります。これを直すときにはゴムを引っ張って(断面を細くして)おいてから、動かして直してください。傷がついたり、ゴムが変色したりすると簡単に切れてしまいますが、通常ではウレタン製のクッションゴムよりは強いです。また、伸びたあとの復元力は優秀です。ウレタン製のものとは比べ物になりません。

◆スナップ付き樽型サルカン(ヨリモドシ)◆

道糸と天秤上部との接続や、ハリスとクッションゴムとの接続など、いろいろな箇所でスナップ付きヨリモドシを使うことが多いです。このスナップ付きの樽型サルカンのスナップの部分についてですが、止める部分に外側にわざとはみ出させている、インターロック付きのものが多く出回っていますが、このスナップは駄目です。外側に出っ張っている部分が他の人の糸に引っかかったりすると簡単にはずれてしまいます。

◆ロッドホールダー◆

電動リール使用時にはなくてはならないものです。ラーク製、ダイワ製とありますが、ダイワ製のほうが竿に付ける部分(クランプ)が小さくて使いやすい。又、取り付けも楽です。お薦めはダイワ パワーホルダー CS90CH(本体価格¥18,600−)です。電動リールを使用するときには是非使いたいものです。

◆付け餌◆

船宿で赤タン(イカを細かく切って赤く染めたもの)を用意してあります。青イソメを購入して付けるなら長くても5cmまで。あまり長いと針掛かりしません。


◆釣り方◆

アジ釣りの基本は仕掛けを下ろして底に着いたら、2m上げてコマセを振り、それから1m上げてアタリを待つという方法です。打木屋では主に観音崎周辺の潮の速い場所を釣ることが多いので、潮の速いとき、二枚潮のある時などは底立ちを取るのが難しいことがあります。言い換えれば、このような状況の時にいかに効果的にタナを取れるかが釣果の分かれ道になるでしょう。

◆タナ取り◆

タナ取りの基本は底に着いてから2m上げて、コマセを振り、1m上げて待つですが、潮の速い時や上層と下層で潮の流れの向きや速さが違ういわゆる二枚潮の時などではなかなか難しいものです。底まで50mなのに実際に底に着くには55mも道糸が出てしまっているというようなことが度々あります。どうして5mも余分に出てしまったのか?道糸がふくらんだ状態で出ていくからです。いわゆる糸フケです。この糸フケを取らないでタナを取ったとしても確実にタナを取ったことにはなりません。潮の流れが全くないということもあまりありませんので糸が垂直になることもあまりないのです。道糸のふくらみ(糸フケ)だけを取ってやればタナは取れます。この糸フケを取るにはビシが着底したら、すぐにタナを取らず、糸を張ってビシを持ち上げるようにして糸のたるみを取ってください。ビシを底から少し持ち上げてまた下に下ろす動作を2~3回繰り返すと糸のたるみが取れてきます。タナを取るのはそれからです。

◆有効なコマセの振り方◆

コマセを振った後、1m上げるのはどうしてでしょうか?これはコマセの煙幕の中に針を入れてやるためです。通常のハリスの長さは2m位でしょう。潮がゆるやかに流れて、ハリスが斜め45度になっていると想定して1m上げているのです。ですから、下層の潮の流れがない時には仕掛けが真下にたれ下がるはずですから、2m持ち上げるべきです。逆に、下層の潮が速い時にはコマセを振ってから、更に持ち上げる必要はありません。そのままで待てばいいのです。しかし、底近くの潮の流れがどうなっているかは船の上でははっきりとはわかりません。アジの当たりの出方を見て、タナを調整するしかありません。もやもやとしたアタリだったらタナをもっと上げるべきです。アジが餌の針を下向きに喰っているので、はっきりとしたアタリが出ないのです。コマセがどのように流れて、餌の付いた針がどのようになっているかをイメージするといいでしょう。機械的にタナを取っても釣れないことが多いのです。アジ釣りはとても奥深い釣りです。やればやるほど、この釣りが難しいのがわかってきます。

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